主張

命の森に住む

沼津市・青野・妙泉寺に住職40余年。仏と諸霊を供養し500年余の森を守り緑を伝えて今日に至りました。

春は桜、秋は紅葉・楠・椎・銀杏の巨木は訪れる人々を迎えます。

現代日本の鎮守の森は実際は滅びつつあります。

私は東日本大震災・福島原発事故の発生後、被災各地を犠牲者供養のために行脚しました。物の復興が進められますが、2万に及ぶ諸霊、行方不明者の苦悶の声を受け留める心と供養が必要です。
科学文明の過信と利益優先の政策から原発事故という収拾不能の苦難が続いています。

今こそ、物の豊かさと利益を求める文明から、心の豊かさと命をいつくしむ文明への方向転換が必要です。

心ある科学者が科学文明の独走に対し仏教の私達に意見を求めています。求められる人の生き方は、仏の教え、「菩薩行」です。信仰は妙法題目、生き方は自分の命を支えてくれる全ての命のためにつくす生き方です。それは人が生きる意味、それを菩薩行と申します。

そこに人の心の蘇生があり、はじめて自然環境と文明の蘇生ができるのだと思います。

この世の中を破滅から回避し浄化する仏法を、広く今日の社会へ実践してゆきたいと思います。それが今日に必要な蘇生の早道です。蘇生のための菩薩行を私は訴えつづけて参りたいと思います。